短編

"A Late Encounter with the Enemy" Flannery O'Connor

南北戦争で戦った104歳のじいさんが、その年齢と経験ゆえにあちこち連れまわされて見世物にされるけど本人も割と楽しんでいる話。だけどもボケボケになってどんどん訳がわかんなくなっちゃうという。登場人物みんなが、自分のことしか考えてなくて、物悲しく…

"Silence" by Alice Munroe

読もうとすると死ぬほど眠くて頭に入らず面白くもない。とりあえず、一旦寝る。で起きて読むと、これがなかなか面白い!母親と娘の葛藤の物語。突然に新興宗教(スピリチュアルなんたら)の施設に入って面会を拒絶し続ける娘に会いに行く母。母親の視点から…

"The House on Mango Street"など4編。by Sandra Cisneros。

1954年生まれの女性作家、父親はメキシコ人、母親はメキシコ系アメリカ人。メキシコとシカゴを行き来する家庭に育ち、その出自を真正面からとらえた作品を多く出す。"prose poetry as prose fiction" と言われるよう、詩的な文章で知られる。作品は、彼女の…

"An Alcoholic Case" by F. Scott Fitzgerald

英語で読む初フィッツジェラルド。著者自身のような、上流階級の芸術家がアル中の治療でホテルずまい、それを若い看護婦の目から描く形式。結構平易な文章ですが、読めば読むほど、うまいなあ、、、と。感受性が高い人だったんでしょう。選者のJ. C. Oatesの…

"The Yellow Wallpaper" by Charlotte Perkins Gilman

作者はフェミニズム運動家。多数の講演をこなす。離婚し、自分自身の母性が少ないことを認識して子供の親権をすんなり夫側に渡したことで有名。らしい。多数の著作があるものの、文学的価値があるとして生き残っているのはこの一編だけらしい。 短編は比較的…

"The Cousins" by Joyce Carol Oates

短編クラス用。J.C. Oates はかなりゴシック調のやり場のないホラーなんかを得意とする人のようですが、この短編は違います。幼い頃にユダヤ人強制収容所の経験を経てアメリカに渡り、人類学を専門として大学教授になった女性作家が、自分の自伝を書き、それ…

John Cheever2編

"The Death of Justina","O Youth, O Beauty"。後者の方がかなり易しくて読みやすい。前者はかなーり噛み応えがあるというか洗練されてウィットに富みすぎて私には意味がとれない部分もある。面白いんだけど。現代アメリカ(と言っても1970頃?)の中・上流…

"Something To Remember Me By" by Saul Bellow

明日の短編クラス用。Saul Bellowは、友達から一冊プレゼントされたので読みたかったけど、3回のNational Book Awardsに、Pulitzer賞に、ノーベル賞…という凄すぎる履歴に怖気づいて手が出てなかったもの。今回は景気づけに、彼の短編を入れてくれと頼んだの…

"The Selfish Giant" by Oscar Wilde

劇作が好きらしい兄さんが適当に選んできた素材がこのオスカー・ワイルドの子供向け短編で、えーと、あっとまさにこれだ! 簡単で短いのですぐ読めます。あとこことか。以降粗筋とネタばれ(?)。

"THE KIDNEY-SHAPED STONE THAT MOVES EVERY DAY" by Haruki Murakami

New Yorker サイトより。これも、『東京奇譚集』からみたいですね。(あと2編で全部だ。)この、「引き受ける」感というか、コミットメントを恐れない流れは、最近のものですね。上のスパゲッティと対照的だ。この短編は、作中の作家が主人公で短編を書くと…

"THE YEAR OF SPAGHETTI" by Haruki Murakami

New Yorker サイトより。『カンガルー日和』に入ってたかなあ。偉大なる関わらないぞ感というか「僕をほっといて」感が強い。作者に実話にちかいとすると、私が生まれた年に作者はスパゲッティを作りまくってたのかあ、と。

A SHINAGAWA MONKEY by HARUKI MURAKAMI

村上春樹の、原題「品川猿」、「東京奇譚集」という本の一遍の翻訳らしい。友達のJSが、New Yorker のサイトに載ってて面白いから読め、と教えてくれた。 (彼女は自国では先生なので面倒見が良いのです。) 読むとほんとに面白かったす(^_^)。自分の名前を時…

New Yorkerに載った、村上春樹の短編。

"Where I'm likely to find it" by Haruki Murakami。New Yorkerを購読している韓国人の友達がコピーしてくれました。 ある女性が私立探偵(?)に事件を説明するところから。義理の父親が不慮の事故だか自殺だかで亡くなり、その後自分の夫が突然マンション…

He

"He" by Katherine Anne Porter(1890-1980)。貧しい農村の家庭。プライドが強く人に弱みを見せられない、周囲の目を気にしすぎる母親。二人の娘と知恵遅れの息子。息子を特に愛する母親の心の葛藤が描かれる。重いんだけど、淡々とした筆致、なのに伝わる物…

The Girl with a Pimply Face

"The Girl with a Pimply Face" by William Carlos Williams(1883-1963)。医者の一人称。貧しい移民一家の子供の病気で呼ばれた医者。母親はアル中、娘は他人だけでなく自分自身への興味もなくしたように、顔中ニキビだらけでも気にすることもない。娘に魅か…

Sonny's Blues

"Sonny's Blues" by James Baldwin(1924-1987)。Harlem Renaissanceの作家と聞いたけどちょっとそれには時代が遅い?NYのハーレムに住む黒人兄弟。兄は社会状況に一応適応して高校教師をしている。弟はジャズミュージシャン目指すが、ドラッグで逮捕されると…

魔法の樽

"The Magic Barrel" by Bernard Malamud。ユダヤ人作家。ラビになろうとしている男が、嫁さんがいた方が職が見つかり安いよと言われて、慌ててお見合い業者に頼む話。いずこも大変だと。

初スタインベック。

"The Chrysanthemums" by John Steinbeck (1902-1968)。大きな菊の花を育てることに情熱を注ぐ、欲求不満の主婦の話…と書くと身も蓋もないか。平易な文章で繊細で丁寧に書かれた、佳作短編。読んでいて気の合う感じとでも言えばいいのか、するする読めるので…

悪魔の辞典の、アンブローズ・ビアスでした。〈イギリス人だと思ってたよ・・・)

"An Occurrence at Owl Creek Bridge" by Ambrose Bierce(1842-1914)*1。巧妙なプロットの一作。北軍の兵士に橋の上で今にも縛り首にされようとしている南部の農民。彼は逃げることができるのか・・・?極限の精神状態からの視点とか、森の中で夢か現か分か…

A Rose for Emily

"A Rose for Emily" by William Faulkner。今日のクラスで。ポーなどの影響を受けて書いたという初期の短編。南部の閉塞状態と元プランテーション所有者の家族の最後の娘が周囲に追い詰められる様を描く。グロテスクな話ではあるけれど、ホラーというよりは…

The Lecture

"The Lecture" by Isaac Bashevis Singer(1904-1991)*1。著者を思わせる主人公がYiddishに関する講演をしに、NYからモントリオールに向う。列車が雪のため大幅に送れ、駅で彼を待っていたのは二人のみすぼらしい女性だけ…。 *1:ポーランド生まれ、ナチスの…

The Wonderful Ice-Cream Suit、ブラッドベリ。

"The Wonderful Ice-Cream Suit" from "A Medicine for Melancholy" by Ray Bradbury。6人のメキシコ系アメリカ人がお金を出し合って一着の真っ白なスーツを共有。その夜のドタバタと彼らの心の変化。内容が浅かろうと作者のご都合主義なところが随所にあろ…

Maya Angelou

"Momma, The Dentist, And Me" by Maya Angelou。明日のグループディスカッション用。ハーバードエクステンションで使った教科書(エッセイ集っぽいの)から友達がピックアップ。普段の短編クラスの小説と似てるなあ。子供の頃に経験した人種差別がテーマで…

Scarlet Stockings

"Scarlet Stockings." by Louisa M. Alcott。英国と米国のハーフの、怠惰でプライドが高くて貴族的な雰囲気の男が、風変わりで自分を持っている少女(もろ著者)と出会うことで変化して志願して南北戦争に参加して…。会話文はお洒落なんだけども、どうも設定…

Hands

"Winesburg, Ohio" by Sherwood Anderson より、"Hands"。5ヶ月ぶりくらいに読むのかな、結構忘れてるもので。前に分かってなかったとこも、見えてきたり。

Desiree's Baby

"Desiree's Baby" by Kate Chopin。明日の課題。右の本の一編でもあり。いい本っすよ。(しかし、Dover出版社の本は著作権切れでムチャ安いはずなんだけど、Amazonだと普通の本と変わらないくらいになっちゃうのはなんでなり。)

The Blask Ball

"The Blask Ball" by Ralph Ellison(1914-1994)。明日のクラス用。作者は African American。代表作は"Invisible Man"。読んだ短編は、被差別者としての自我の目覚めを書いた作品。細かいエピソードが濃密にからみあってて、しかも結構英語は平易で読み安い。

The Bride Comes to Yellow Sky

"The Bride Comes to Yellow Sky" by Stephen Crane。ESL版とオリジナルが、あまりにも印象が違ってて笑える。ESL版はコミカルな、これほんとに、Craneが書いたの?O. Henryじゃなくて? と思わせるような話に。オリジナルは、時代の変遷と男の悲哀という話に…

The Lost Phoebe

"The Lost Phoebe" by Theodore Dreiser。妻を亡くして、ボケが進行する老人の話。非常に、ビミョーな気分になりました。

The Story of an Hour

"The Story of an Hour" by Kate Chopin。夫の突然の事故死の知らせ。悲しみの涙を流しながらも、突然湧き上がる自分でも理解を超えた喜び。しかし皮肉な結末が…。女性の内面的目覚めという、この作家のメインテーマをタイトに書いた超短編。