"The Yellow Wallpaper" by Charlotte Perkins Gilman

作者はフェミニズム運動家。多数の講演をこなす。離婚し、自分自身の母性が少ないことを認識して子供の親権をすんなり夫側に渡したことで有名。らしい。多数の著作があるものの、文学的価値があるとして生き残っているのはこの一編だけらしい。
短編は比較的古いので、ここで読めます。
身体の弱い(というか鬱病かな)の妻と、それを大事にしつつも全く妻のためにならず彼女を追い詰めていってしまう封建的な夫。閉じ込められるように暮らす家の中の、部屋の黄色い壁にとりつかれたようになり、狂気の世界にさまよいこむ妻の精神状態が丁寧に描かれます。妻の精神が弱すぎとも思うけども、優しい(自分を優しいと思っている)よく出来ると一般にみなされるようなダンナや家族の勘違いの労わりが、人を最も追い詰めてしまうのかもねえ。最後まで、妻の名前が出ないのは、無名のどこにでもいる一般的な女性、ということでしょうか。
Kate Chopinよりも後なのかーとちょっとびっくり。