初スタインベック。

"The Chrysanthemums" by John Steinbeck (1902-1968)。大きな菊の花を育てることに情熱を注ぐ、欲求不満の主婦の話…と書くと身も蓋もないか。平易な文章で繊細で丁寧に書かれた、佳作短編。読んでいて気の合う感じとでも言えばいいのか、するする読めるので、長編も読めるかも!と思えて嬉しい。
しかし、この主人公、35歳で子無しで、農家の主婦だけどやってるのはお金にならない趣味の菊栽培、と、今ならパラサイトワイフと叩かれそうな存在。でも最後には閉塞状態に「老婆のように泣く」と書かれる辺りが、時代の価値観なのかねえ。