"Monster" by Walter Dean Myers

Monster
殺人事件にまで発展した食料雑貨店の強盗に加担したとして、裁判にかけられている黒人の少年が、その裁判の過程を手記を交えたシナリオとして書いたという体裁をとっている。
読者には、本当にこの少年が加担したのかどうか明らかでなく、少年自身も自分が罪を犯したのかどうか自問自答し、少年の弁護士も疑いを隠せないままに裁判が進行していく。言葉の端々に人種差別の問題が現れ、刑務所の中での心理や、こういった状況下の裁判での検察と弁護側双方の論旨や陪審員に印象づけるための方策など、アメリカの裁判の仕組みに興味がある人も面白く読めるのでは。