"Burned Alive:A Victim of the Law of Men" by Souad

Burned Alive: A Victim of the Law of Men
なんでこの本買ったんだろう?アマゾンの書評でみかけたのかなあ?と出所も覚えてませんが、すごい本です。(後で思い出しました、Amazonで、人類学の授業の教材の本から辿ってて見かけたんだった。)
主人公は17才で恋に落ち妊娠したことで、家族の名誉を傷つけたとして("honor crimes")、両親・家族公認の元で、姉の夫に頭からガソリンをかけられ焼かれてしまいます。身体の90%を焼かれて瀕死の状態で近所の女性に助けられ病院に収容されるも…。
West Bank のパレスチナ人の小さな村、厳しい戒律と生活習慣に縛られ、ここで生まれた女性は何の自由も教育もなく、男性社会に奉仕しきる奴隷同然の厳しい暮らしを送り、そこから少しでも外れたら(悪い噂が立ったくらいで)、当然のように、両親・兄弟・親戚に殺されます。
奇跡的な幸運と人権団体の努力でヨーロッパの病院に移った彼女が、25年の後に、ようやく自分自身を語れるようになり、口述筆記で書かれたのがこの本。(元はフランス語からの英語への翻訳。)彼女の記憶が抜け落ちたり不確かだったりする様子が、また痛々しい。
「どの場所でも当り前なんてないし、価値観の違う場所から別の価値観にいる人々の批判は難しい」と中庸に収まりがちな頭が、事実を語る力でぶっ飛ばされます。