"Yugao" from "The Tale of Genji"

Anthology of Japanese Literature: From the Earliest Era to the Mid-Nineteenth Century (UNESCO Collection of Representative Works: European)
源氏物語から、「夕顔」。翻訳は、Arthur Waley。自分のイメージと違ってて、非常に面白かったです。(私の知識は大和和紀の「あさきゆめみし」を中学だか高校だかに読んだくらい。)高尚でお美しい世界というよりは、人間的で、今でも「分かる」部分の方が多いのに驚きました。(英訳だから、かえってそう感じるのかも。)
光源氏は若くて17歳、六条の御息所は24歳なのに、既に大年増扱い。夕顔も18だか19だかで普通に子持ちだし。なんと若い世界よ。物の怪が二人を襲うところは手に汗握る臨場感でわくわく。死んじゃった夕顔を前に、若くて経験のない光源氏はただオロオロして泣くばかり。従者の言うとおりにするだけ。その後も、よろよろぐずぐず泣いている。とにかく、みんなよく泣く。確かにこれが、「もののあわれ」の世界なのねえ…。
右の本は、日本古代〜徳川にかけての、日本文学のアンソロジー本で、これには夕顔しか入ってません。他のも読んでみたくなりました。