「パンプルムース氏のおすすめ料理」マイケル・ボンド

パンプルムース氏のおすすめ料理 (創元推理文庫)
くまのパディントン」作者によるユーモア・ミステリ。ポアロネロ・ウルフといった美食探偵が好きなので期待しましたが…。確かに、美食部分は秀逸です。超おいしそうです。ここまでおいしそうなのはなかなかありません。美食・お色気・猟奇描写がぎゅうぎゅうに詰め込まれたサービス満点の大人向けドタバタ喜劇。
…ですが、主人公の性格設定がイマイチ不明瞭なのと、主人公の行動に無理がありすぎる(話を面白くするための小道具を導入するためとはいえ)、あと推理物としては全く体をなしていない、ということで、なんというか肩すかしでした。ただ、本当においしそうです。主人公以外の人物は、徹底してステロタイプな人物像を設定されてて、それはそれで爽快です。惜しいなあ。
ポアロとかウルフを期待したのが良くなかったのかな。かるーいミステリっぽーい読み物、と思って読むといいのか。うまく映画化されたとしたら、ゲラゲラ笑いながら楽しめそうです。