和書

まんが パレスチナ問題 ★★★★☆

パレスチナ問題を、古代から現代まで、時間軸に沿って解説している入門書。「まんが」といっても、コマ割りがあるわけではなくて、イラストで建物や風習や人物が描かれています。特に歴史上の人物に気持ちや考えを語らせる部分がよくて、入り組んだ民族や宗…

マザーグース関連、数冊

おもしろいです。原詩と訳詩を比べながら。 谷川俊太郎の訳詩は、日本のリズムに乗っているものもあり、英語のリズムがそのまま日本の詩に乗り移って感じられるものもあり、すばらしいです。平易な言葉遣いで、ムリヤリ感がないのもすごいー。 「マザー・グ…

「怖い絵2」 中野 京子 ★★★★☆

『戦争中の暮しの記録』 暮しの手帖編集部 編 ★★★★★

戦時中の暮らしについて語った、ごく一般の人の手記や日記や手紙が数多く載せられています。当時の写真や絵も随所にありますが、メインは手記の部分です。生々しく重苦しいほどの描写もあれば、大変な生活の中でも軽妙な視点を失わない描写もあり。自分の、…

『1時間でわかるアフガニスタン』桑田 剛 ★★★★

同時多発テロの後で、アフガニスタンの政治解説として分かりやすいと評判だったウェブサイトが書籍化されたものらしいです。なので、その時点までの解説です。 確かに分かりやすいです。宗教的バックグラウンドなどが、生活目線から、とっつきやすく説明され…

『詩人の墓』谷川俊太郎

『はだか』谷川俊太郎

全てひらがな。 分かち書き(読みやすくするためのスペース)もほとんどないのに、つまることもなく誤読もさせられなくてすごい。 というような点は、詩集のすごさを順に挙げていったら、25番目くらいになるのかもしれませんが。

"すてきな三にんぐみ" Tomi Ungerer(トミー・アンゲラーまたはトミー・ウンゲラー) (著)、いまえ よしとも (翻訳) ★★★★

絵がいい! 訳語が楽しい! この作家は絵も話もクセがあって、妙に気になって手にとってみてしまうんですが、「ゼラルダと人喰い鬼」とか、面白いけど子どもにどうなのいや子どもにこそ面白いのかお母さん方が眉をひそめそうな気もするけどまあ面白いからい…

『絵本翻訳教室へようこそ』灰島 かり ★★★★☆

思わぬ良書。「思わぬ」は失礼かもしれませんが、ファンシーな表紙に先入観を持ってしまってました。 物語の読み込み、適切な訳語の選び方、出版翻訳の収入と厳しさ、出版社への持ち込み方まで、分かり易い語り口でていねいに説明されています。絵本に限らず…

『ギリシア神話を知っていますか 』阿刀田高 ★★★☆

「お話」の勘所というか面白いところをかいつまんで紹介する、という点では素晴らしい入門書。美人の描写がコテコテで、ちょっと引きます。(読みやすくはあるんですが。。)

『新約聖書を知っていますか』阿刀田高 ★★★

『旧約〜』に比べていまひとつな印象。なんでだろ。日本でも信者が多いし、距離感が難しいんでしょうか。(奥様もクリスチャンらしい。) 前日の『怖い絵』には、ティントレットの『受胎告知』と対象比較のためにフラ・アンジェリコの『受胎告知』が掲載され…

『怖い絵』中野 京子 ★★★★☆

西洋絵画20作品を解説した本ですが、描かれた時代の背景、絵の題材、題材の背景や解釈、画家、などで「怖い」側面を切り口に紹介しています。有名な絵が多くてとっつき易いし、特に時代背景や画家について「そうなんだ」という話が多くて面白かったです。(…

『荊の城』上、サラ・ウォーターズ ★★★★☆

再読。2年くらい前に読んだはずで、面白かったという思いと大体の背景の記憶はあるのですが、筋を完全に忘れていて、初読時と全く同じ箇所で「なんとそうきたか!」と驚いてしまいました。ある意味、幸せな読書ですが、、、年取ったなあ…。 ネタばれしない程…

『ほんの豚ですが』佐野洋子 ★★★

ほんの豚です。 そういえば、ドイツでは豚が幸運のしるしです。 色々な動物を素材に、イラストと、詩のような童話のような文章が添えられているつくり。 気に入ったのを1つ。 犬の章です。 犬 幼稚園で男の子と女の子がキスをしていた。おれはいいと思う。 …

『シズコさん』佐野洋子 ★★★★★

読んだのは少し前ですが、記録に残すために。この本すごいです。佐野洋子さんすごいです。

『半身』サラ・ウォーターズ  ★★★☆

再読。ヴィクトリア朝時代のロンドンを舞台に監獄慰問と交霊会を手記風に綴った歴史ミステリー小説。 これは結末もなんとなく記憶に残ったまま読みましたが、再読でも面白いです。時代の風物が手に取るように描写されてます(杉浦日向子さんの江戸モノを読む…

「パンプルムース氏のおすすめ料理」マイケル・ボンド

「くまのパディントン」作者によるユーモア・ミステリ。ポアロやネロ・ウルフといった美食探偵が好きなので期待しましたが…。確かに、美食部分は秀逸です。超おいしそうです。ここまでおいしそうなのはなかなかありません。美食・お色気・猟奇描写がぎゅうぎ…

夜愁

サラ・ウォーターズはいいなあ。「荊の城」が一番好きですが。これも十分よかった。

聖書入門に2冊

とりあえず、目ぼしい部分を頭に入れようと、ざっくり読みました。 「マンガ版 聖書旧約・新約物語」(樋口 雅一、山口 昇)。意外と面白い。説話(たとえ話)の部分が楽しい。一番共感できるのはヨナ書のヨナさん。それにしても、神様は自分勝手で嫉妬深く…

「物語論で読む村上春樹と宮崎駿――構造しかない日本」 (大塚 英志)

この本の内容をざっくり言うと、「村上春樹も宮崎駿もジョセフ・キャンベル−スターウォーズ系の流れに乗った物語(英雄譚)だし、だからこそ海外で受け入れられてる(それ以上の意味や深みは無い)」が主旨のようです。

色々

えー、5年以上前の引越し荷物に入ってた本を、女性作家さんを中心に再読してました。笙野頼子、中山可穂、川上弘美、坂東真砂子さんあたり。その他、筒井康孝に村上春樹。漫画は、『ぼくんち』『BAMBi』とか松本大洋や萩尾望都や山岸涼子で荷物に入ってたも…

「窯変 源氏物語」橋本治

全14巻途中。あまりにうざい源氏の性格に挫折しかかりましたが、なんだかんだと結構はまって読み進めてます。現在8巻までなので、まだ半分くらい。この7巻目の「常夏」「行幸」に出てくる「近江の君」の喋りから性格からが知人にそっくりで大笑い。古代の世…

『春の雪 〜 豊饒の海(一)』三島由紀夫

面白かった!です。最近読んだ初期の2冊の文章も十分に堪能してたはずなのに、それらも「若さゆえのぎこちなさだったか…」と思えるほどに練りこまれ溶け込んだ豪華絢爛な文章の連続、その描写に想像力をかき立てられて、読み進むのに時間がかかりました。 粗…

『金閣寺』三島由紀夫

読了して結構経つのですが、記録ということで…。実際にあった、僧侶による金閣寺放火事件に題材をとって書かれている。またも、想像力をかきたてられるような描写・比喩、粘着質の思考の積み重ね…と、みっちり織られた美しいタペストリーのよう。が、その分…

『仮面の告白』三島由紀夫

欧日協会の日本語図書館にて、さっそく三島を数冊発見。『仮面の告白』は以前(20歳くらいの時?忘れた…)読んだ時とは全く違った印象。かつては、さほどの印象を受けず、他の三島由紀夫の本も含めて「堅苦しく書く人だなあ」という印象だったんだけど、なん…

『流れよわが涙、と警官は言った』フィリップ・K・ディック、友枝 康子訳

ディックづいてます。続けざまに読んでも、どれも結構地味ですね。心理描写が主で。映画なんかのイメージも強くあるからかな。

『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ K.ディック 浅倉久志訳

ついつい続けてディック。朝に読了。(しかし、日本語読書の速く進むこと、病み付きになりそうで、やばい。) ハードボイルドになりそうなのに、悩み多き普通の人間達(とアンドロイド?)ですことよ。

『高い城の男』フィリップ K.ディック 浅倉久志訳

原題 "The Man in the High Castle"、ヒューゴー賞受賞、1962年出版。「枢軸国側が第二次世界大戦に勝利し、世界は日独の支配化にある」という設定の話。日本の支配下にあるアメリカが主な舞台。この世界の中で流行している本は『イナゴ…』という、「もし連…

図書館から借りて、2冊。

「女の一生〈1部〉キクの場合」遠藤 周作 著

ISBN:4101123233