(土)晴れ。

久々の日記更新。事情がありダンナの研究室についてきて、気楽にネットできるのと、プラスとんでもないことがあったので。
大分こっちの生活にも慣れたけども、それでも毎日のドイツ語のクラスでますます厳しさをます授業内容に、毎日爆睡の日々。ちょっと気が緩んだのか、ひどくはないけど喉の風邪もひいて、ここ数日少々だれぎみっす。
午前中に家の掃除。外に出て、電話屋(?こちらは室内に電話ブースを並べた電話屋が沢山あります。公衆電話も負いしネットカフェも多い。逆に、家に電話のない人が結構いるってことでしょうか。)に行って、ついに両実家に電話。メールで連絡はしてたんだけども、中途半端に時差があるせいでうまいタイミングで今までできてませんでして。(って言い訳(^_^;)。ずぼらなだけですが。)
「いや〜、さすがに一ヶ月して生活にも慣れまして〜〜でへへ。連絡遅れてすんませんね。いやいや順調順調。」てな具合。両方とも両親がすっかり了解してて(諦めかなあ?)、「二人とも健康ならオッケー、じゃ、頑張って!」10分で3ユーロくらいでしょうか。
お昼も食べて、図書館で本返して、薬局で風邪薬買って。(一応単語を調べてたけどもパントマイムがらみのドイツ語で始まり英語に終わる。)
で、ぶらぶらしてアパートに帰宅。あれえ、隣の部屋が引越しなのかなあ?すごい大人数で荷物を運び出してるよ。愛想よく、"Guten tag!"とか言って挨拶して鍵を取り出すと、太ったおばちゃんがずかずか顔を出して、最初から喧嘩腰で、「あんた達、そこで何してんの?」「いや、暮らしてて」「あんた達はそこで暮らしてない」「いや、暮らしてますってば」「いやそんなはずない」と押し問答に。(もち独語英語交じりから、英語に。おばちゃんの英語はイマイチ。こちらは言葉の問題かなー、わけわかんないなー、とトホホ状態。
ほら、鍵も持ってますし、ここ住んでんですよ、と開けると、じゃあ中で話すよ、あんた達来なさい。と、おばちゃん先頭に立って、我々の部屋に。
ずんずんと。土足で。拭き掃除をしたばかりの部屋に。
常に温厚な私も、「ちょっとあんた、人の部屋に勝手に入んないでよ」と声を高めると、おばちゃんはさらに声を荒げて「ここに住むのは禁じられてんの!分かってんの?!契約書あるの?!ないでしょ!あるわけないのよ!」と連呼。こっちも事情を説明するも、埒があかず、ドンドン頭に血が上って言い争う二人の女。(ハハハ。)おばちゃんは、「警察呼ぶわよ!!警察!おっぽりだせるんだからね!あたしゃこのビルのオーナーだよ!」
ここで私達の賃貸状況を説明しますと、私達が今住んでいるアパートは語学学校から提供されたアパート。で、語学学校には、ダンナの奨学金の出資元の財団が私達のための経費を全額出資しているので、我々は金額や契約などの仔細はまるで知らされておらず、ともかく2ヶ月は授業を受けられて確実に住める場所を与えられてるはずだという認識。語学学校は寮とかアパートを持っているわけではなくて、学生が来たらその都度に、短期間のアパートやシェアルームを見つけて、学生に供給しているらしい。我々のアパートの場合は、そこの元の借主のMs.Mが自分の休暇時のサブレットを見つけたかったのか、それともそのアパートをいい小遣い稼ぎとして常にそういう場所として語学学校に供給してたのかは分からないけれども、とにかく、リアル大家に内緒で、サブレットして我々に提供したらしい。で、実際どうやら、ドイツでは実際の借主以外が住むことになるサブレットそのものが、基本的に認可されてないらしい。(日本でも多分、同様の事情だと思うけど。)
私達がMs.Mに会ったのは、越して来た当日だけで、部屋の中の簡単な説明を受けたのみ。で、Ms.Mが大家なのかとすら思ってたので、この「リアル大家」の出現に、こちらも混乱してしまったと。
おばちゃんはおばちゃんで、どうやら私達の隣に住んでた人達が違法滞在だったらしく(それとも家賃滞納?)、なんと業者を連れて乗り込んで強制撤去しに来たらしい。その隣の休暇中のMs.Mの部屋に(おばちゃんによると、2ヶ月間休暇でドイツにいないと聞いてるらしい)、怪しいアジア人達がしゃーしゃーと入り込もうとしてるのにびっくりして、ガーガー言い始めたらしい。
そんなこんなで喚き合ってる中、ようやくダンナが語学学校とそのMs.M との書類を取り出しておだやか〜に説明して、自分らもこの状況には困惑してるんだと言うと、ちょっとおばちゃんは落ち着く。さすがに、私達の落ち度でもないらしいと察したらしい。
そして、「あんた達、中国人?」「いや日本人(ジャパニーズ)」「え、中国人?」「いや、日本人(ヤパーニッシュ)。」というと、さらに表情が軟化。(これにまたむかつく私。金持ってるってイメージなのかな?なんかねえ。)
「ちょっと、あんたたち、そのMs.M になんぼ払ってるの?」
「いや、実は知らないんです。かくかくしかじかで。」
「??まあよくわかんないけどさ、私達はここにもっとちゃんとした部屋もってんのよ。ともかくあんたたちはここには住めないからね。あんた達いつまでいるの?」
「いや、2月いっぱいで、次の住居はかくかくしかじかで確保してるんす」
「??まあよく分かんないけど、これからの部屋を契約しに、月曜にここ(と連絡先を書く)に来なさい。あたしのダンナは英語ちゃんとできるからさ。」こりゃ、結構いい顧客になるのかも、とおばちゃん思ったらしく、どんどん愛想がよくなり笑顔まで見せる始末。(「死んでもお前んとこ借りねーよ!」と思うも、さすがにそれ言って月曜まですら住めなくなるのも困るしと、抑える。)
上記、大分まとめて書きましたが、もっと混乱して(おばちゃんは英語はむちゃブロークン)、もっと殺伐としてましたですよ。
おばちゃん最後に出て行きがてら、別れの挨拶で、「チュース!」と。いや、これは普通のドイツ語の挨拶なんだけれども、この響きが、中学生の下級生が上級生に挨拶してんのかよ、という響きで、普段はこれを年配の人が言うのがどうもアンバランスに聞こえて笑っちゃうんだけれども、この状況下で言われると馬鹿にされてるみたいで、思わず怒りが増幅。こちらの勝手な思い込みですけどね(^_^;)。(で二人とも返事せず。)
ダンナと二人で状況整理して、こりゃどうやら、違法サブレットらしい。でも自分らの責任ではないし、財団が高い金払ってるんだから、語学学校によって住居は保証されるはずだし、追い出されるとしても次がすぐ見つからなきゃホテルでもなんでも払ってもらえるはず。ともかく、連絡しましょと。リアル大家がトチ狂って鍵持って入って荷物持ち出したりしたら困るし、金目の物や機器類はダンナの仕事場に移すかと。月曜に引っ越したりあちこち移動になりかねないから、荷物もちょっと移しときましょと。
というわけで、荷物をある程度まとめて、大学へ。道すがら、Ms.Mには連絡しようとするも、連絡つかず。(とんずらか?休暇か?)語学学校の24時間対応の受付は、ダンナの英語がまずかったか、伝わったのかなんだかで、「まあ落ち着け、月曜にそっちの事務で相談しろ」と。で、あーだこーだ言って文を練り上げて、ダンナが関係各所にメール。
夜に「部屋の中ぼろぼろだったらどうしよう」と思いつつ帰宅すると大丈夫。強制撤去された隣の部屋は、ドアに張り紙一枚がぴらりん…。
しかし、このアパートの場所、こんな強制撤去などという事態が起こるとか、通りにも割と貧しい身なりの「外国人」な人が多いし、だいたいアパート自体がぼろぼろだし、通りもいまいち柄が悪い。話がそれるけど、先日は、最寄のコインランドリーで洗濯してたら、警官が6人くらいガーっと入ってきて、そこで洗濯してた中東系のきゃしゃな兄さんを取り囲み、ホールドアップ(!)させて身体検査してパスポート(アラビア文字だった)を出させて身元確認してあれこれレシーバーで連絡とりあったりしながら、20分くらい兄さんを取り囲んでたし。何もなかったらしく特に謝りもせず警察は立ち去ったけども、その間、こういう状況に出くわしたことのない私はビビッてしまったですよ。(腰に拳銃と手錠をぶら下げた屈強な警官が複数人で一人を取り囲む状況は、すぐ側にいるとマジで怖いです。その後、洗濯を終えた私がドアを開けて出る時、丁度後ろから人が来たのでドアを支えてあげると、それがまさにホールドアップにあった中東系の人で、「どうもありがとう。さっきは怖がらせて悪かったね。」と多分言って(ドイツ語だから半分想像)、にっこり笑って去っていきました。)
まあ、そんなことはあっても、「外国人」であり、かつ雑多な場所が割と好きな私は、その通りにすぐ馴染んで結構落ち着くというのも正直な感想だけど。どう考えても、語学学校が払ってるであろう家賃よりも、遥かに安く住める場所なんではなかろうか、Ms.Mは、ちゃっかり力強く生きてるなあ、と結構感心したりして。
そして翌日の日曜、再度荷物をまとめて、また大学へ運んで、ついでに日記を書いてます。ああ、すっきりした。
しかし、怒ってる人に怒りかえしてもいけませんねえ。私は血の気が多めで売られた喧嘩は即買いだからなあ。ダンナに、「怒った者の負けです。今日は二人とも怒ったから二人とも負け。俺のひとり勝ちね」と諭されました。