Wicked!

Wicked
2時からのミュージカル"Wicked"に備えて、前々から借りていたCDを聞いたり、お昼食べながら原作の本を読み始めたり。(今更…。見れると思わなかったから準備が甘かった…。)
まあ、正直、一人で定価でしかもかなりいい席で見るという罪悪感はありました。しかし、「去年の誕生日プレゼント何も貰ってないし買ってないから、これがプレゼント!てことで!」という恐るべき言い訳をひっさげてと。(次の誕生日がよっぽど近いんだけど、それ使っちゃうともったいないし。)
てな感じで、ぶつくさ言い訳を自分に言ったりしてましたが、見た後はそんなんどうでもよくなって、
大満足!で、ラオウよろしく、「我が人生に一片の悔い無し!」と叫びそうでした。(まあ直後だけ。ってか、馬鹿丸出し。)
このミュージカル、同名タイトル"Wicked"という原作がありますが、オズの魔法使いを下敷きに、西の邪悪な魔女(Wicked Witch of the West)の学生時代の、善良な魔女との出会いから説き起こして、オズの話も全てひっくり返して見せた内容。ネタばれしそうですが、本当によくできてると感心。私はスターウォーズ的に、「如何に邪悪な魔女となったか、をドロシーの話の手前まで語る」と思い込んでたので、ところが「オズの魔法使い」の部分まで含めてほぼ辻褄を合わせて見せた手腕に感心しきり。「オズの魔法使い」の部分は後半のバックグラウンドとなってますが、十分楽しむためには、最低でも大筋とキャラの性格など把握した方がよいかと。
ミュージカルとしては、何よりストーリーがよくて、キャラが立ってて(まあ元ネタのオズによるところも大きいですが)、舞台美術もよくできてて(ちょっと龍の部分が分からん)、音楽は少々弱いのかも。帰宅してから結構何度も聞いても、あまり記憶に残らないのもチラホラ…。
でも生のパワーはすごかった。私はもう、あちこち泣きまくり。Wicked Witch役の人が、standbyの人だったので、ちょっとどうかなあと思ったんだけど、この人が若さ全開で。最初のソロが、人と違う緑の肌に生まれてしまい皆に嫌われ、でも初めて自分の魔法の力を認められ、オズ魔法使いに会えれば、そして限りない未来が広がる…!という歌なんだけど、それが恐らくそのまんまこれから女優として成功したい彼女の勢いとピッタリあってたのか、鳥肌立つくらいよかったです。この劇中でも最大の拍手だった。その後は、歌は上手いし力いっぱい頑張ってるけども、他の人との呼吸がイマイチの時もあったけど、でも敢闘賞もの。舞台最後の出演者全員並んで挨拶する時も、彼女は満員の観客からの大拍手でムチャクチャ感激して小躍りしてたのがかわいらしかったです。(というのを見ると、初めての出演だったのかなあ、このシーズン。)
真の主役とも言える、Glinda役の人がうまい!ちっこくて可愛くてちゃっかりしててわざとらしいけど誰にも愛されて人気第一主義で根が善良で。というのをムチャクチャ可愛く演じてました。(そういや、「体がごつくて知的な女性−誰にも愛される小柄で愛くるしい女性」の対比って、そのまんま姫野カオルコさんの世界だなあ。)
そして、男性主役の人が、また顔が良くて歌がうまくて、頭空っぽに馬鹿っぽさが出てて、姿形がかっこよくて、素晴らしいはまり役でしたです。
他にも色々細かいところ書きたいけども、ネタばれになるしなあ…。できれば、初めて舞台で見て、どこにプロットとしての仕掛けがあるか(ほんっとに沢山伏線もあり)、どう収まるか、ワクワクしながら見て欲しいものです。
Wicked Musical Tie-in Edition: The Life and Times of the Wicked Witch of the West (Wicked Years (Paperback))
しかし、まさか見れるとは思わなかった。ボストンでのこのミュージカルの上映は前売りでトウの昔に全日程完売。というのも、この原作者のGregory Maguireさんはボストン(正確には隣のBrookline)に住んでる地元作家。この近辺では、この作者さんの他の本も山積みなので、ともかく注目を集めていたものらしい。あまりの人気っぷりに、1年以上先の来年2007年の9月からの追加公演が決まって、それが明日(5/13)から予約開始。(それまでの他の公演が埋まってもないのに!)というわけで、この辺り在住の方は、来年を楽しみに!